なんで取得率が低いの?

なんで取得率が低いの?

人材不足の影響が大きい

なぜ看護師は有給休暇の取得率が低い傾向にあるのでしょうか。職場によっては「有給消化率8割以上」などと謳っているケースもありますが、実際には融通の利かない場合が多いですよね…。働き方改革が進められている今、労働環境を取り巻く状況は変わってきています。しかし、有給休暇が取得できないという問題はまだまだ解消されていないのが現状です。
その理由として挙げられるのは「人材不足」です。有給休暇は、業務に支障がないことが前提で取得可能な休暇制度です。あらかじめ職場で定められている休日以外に休暇を取得するためには必ず上司の許可が必要ですが、その際に業務に支障が出ると判断された場合は取得を拒否されます。実際、現場の看護師が1人でも休んでしまうと業務が回らなくなるという職場が多いようですね。一般の人からすれば「代わりの人を探せばいいんじゃないか」と思うかもしれませんが、それができていない職場がほとんどです。月に仕事をできる時間は法律で定められているので、シフト作成時はその時間を越えないようにしなければなりませんよね。業務を行うために必要な人数と、個々の能力のバランスを考えた結果、シフト休以外に休まれると業務が回らなくなるほど人材が不足しているのです。
人材不足に加え、看護師は患者さんの命を守る責任の重い仕事であることも関係しています。看護師の業務が回らないということは、患者さんの命を危険にさらすことにもなるので、簡単には休めないんですね。

どこも余裕がない

一般企業の場合、8月頃に夏休みとして連休が設けられます。看護師は業務の性質上みんなが一斉に休むことができません。そのため、6月~12月の間で時期をずらしながら取得することが多いです。しかし、夏休みの希望時期が2名以上重なってしまうと大変です。シフトを作成するのも苦労しますし、現場は一層激務となるでしょう。つまり、看護師1人が休んだことで与える影響がとても大きいんですよね。
もちろん、人数に余裕があれば話は別です。職場の規模に応じて看護師の配置人数が定められていますが、あくまで最低人数であり実際にはその人数だと業務が回らないこともあります。看護師は人と直接コミュニケーションを図る仕事です。さらに、相手は病気やケガを抱える患者さんです。予定通りに仕事が進むことはありえないので、残業になることも多いですよね。人数さえ足りていれば、シフトに余裕ができて急な仕事が発生しても対応可能です。しかし、看護業界は慢性的に人材が不足しており、そのような対応ができている職場は少ないのが現状なんです。また、人材不足が原因の激務に耐えられず、若い人材が離れていってしまうという悪循環も起きています。

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